【調う】ととのふ
必要なものは、山が調えてくれます。
【調身】【調息】【調心】
大山周辺の伯耆ノ国ではいつも大山に手を合わせてきました。
それは大山さんに調えてもらっているから。
ブナの森が育む水は、里へ、海へ、そして山へと循環し、
伯耆ノ国の豊かな恵みを調えます。
大山の恵みをいただければ身体が調い、
その空気を吸えば息が調い、
そこに身をゆだねれば心が調います。
大山さんの懐で、調ふ時間をお楽しみください。
合掌 天台沙門 観證院 豪賢

※大山寺古図 寛政九年【1797年】に描かれた十三堂三院谷四十三坊の様子。
観證院(かんしょういん)は天台宗の古い由緒あるお寺です。大山寺は奈良時代に開かれ、最盛期には百を越える僧坊を連ね、三千人の僧兵をかかえる一大修行道場として栄えました。戦国時代には尼子氏、毛利氏、吉川氏、亀井氏などの中国地方の諸将の崇敬をあつめました。江戸時代には徳川幕府より三千石の地領を得てその法灯を伝えてきました。しかし明治の廃仏毀釈により大山寺号は廃絶となり、当時の十三堂塔三院谷四十三坊も急激に衰退し、建物も取り壊され、今は林の中に往時の姿を偲ぶのみとなりました。当宿坊はこの大山寺の今に残る山内十ヶ院の一つ、中門院谷塔頭の観證院です。宿坊として四百年以上の歴史を今に伝え、不動明王をその本尊としてお祀りしています。
